F.シューベルト : 交響曲全集 (Schubert : Complete Symphonies / Marc Minkowski, Les Musiciens Du Louvre ・ Grenoble) (4CD) [輸入盤]
ミンコフスキには一時のインマゼールのような気迫を感じる。さらに言うなら、今年フランス・ブリュッヘンが亡くなったが、彼こそブリュッヘンの穴を埋める逸材であろう。シューベルトの初期交響曲にはいまでこそいくつも演奏があるが、どうにも余技めいたゆるさが漂う演奏が大半であった。その例外はギュンター・ヴァントのケルン放送交響楽団盤全集であるが、第1~3番への愛情というか打ち込み方はヴァントをも凌ぐのがミンコフスキ。他方、未完成、グレイトといった大曲ではヴァントは神域に達している(ことに全集盤のあとのミュンヘン・フィル盤、ベルリン・ドイツ響盤)。また第4のヴァント&ケルン盤はやはり物凄いものであり、ミンコフスキとて及ばない。それが★1つ減の理由である。しかし、いずれにしても全曲の水準の高さ、熱情という点で、これだけのシューベルト全集は稀有であり、ここに新たにシューベルトの交響曲ルネサンスが始まったとさえ言いたくなるのも事実である。ほぼ同じ時期に完成したジンマンの全集も悪くないが、こちらのほうをより強く推す。
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ラモー 歌劇《プラテー》ロラン・ペリー/ミンコフスキ (パリ・オペラ座) [DVD]
DVDのジャケットを見た瞬間は、ぎょっとなりましたが、友人から強く勧められたので買ってみました。主人公のプラテーの勘違いぶりが面白く、神話の神様たちの人間くささにも大笑いしてしまいました。でも、最後の最後になって、主人公が皆から嘲られてしまうところで、このオペラの凄みを感じました。プラテーに大いに同情してしまうのは、演出の素晴らしさだけでなく曲を作った人の心が真っ直ぐに伝わってくるからなのでしょう。全く遠い時代の音楽ですが、想像していたよりははるかに聴きやすくて楽しめました。淡々とした雰囲気の字幕にも好感を持てました。
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モーツァルト:交響曲第40番、第41番
世間では癒しの名高いモーツァルト.しかしながら当のクラシック業界では刺激に満ちた演奏も昨今少なくない.(というか刺激の無い演奏など 最近では見向きもされない傾向に あるといっても過言ではない)そんな刺激ックスな演奏の代表がこのミンコフスキ盤.(後はアーノンクールとか. ヤーコプスはどっちだろう?)刺激好きのかた,または癒しに飽きたかたはこの盤を聴いて見るべし.中間に収録されている歌劇「イドメネオ」フィナーレ・バレエ音楽も秀逸.
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くちびるに歌を DVD 通常版
「リーガルハイ」以外の新垣結衣の作品は、殆ど駄作だったが、これは良かった。それは長崎を舞台に出演する中学生たちがのびのびと演技しているからだと思う。合唱部を通して日々成長していく若き男女の演技が素晴らしく、サポーターとしての新垣結衣の先生は悩みを抱えながらも珍しく本気で頑張っていたと思う。
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モーツァルト:歌劇《ポントの王ミトリダーテ》 [DVD]
14歳のモーツァルトが作った初めてのオペラセリエ。オペラセリエは現代人にはやや退屈な形式なので、演出のギュンター・クレーマーは工夫をこらしている。舞台の正面上方には巨大な鏡が45度の傾きで設定されて、舞台を真上から見下ろした姿がつねに映る。観客には、水平の動きと垂直の動きが同時に二つ見えるので、人と色彩の動きが万華鏡のように美しい。物語は、ローマと戦う古代ギリシアの王家の恋愛騒動。ソプラノの他、男声はすべてテナーとカウンターテナーなので、音楽が澄んで明るい。王の息子シーファレを演じるスウェーデンのソプラノ歌手ミア・ペールソンが素晴しい。第13曲の長大なアリアではいつまでも拍手が鳴り止まない。ミンコフスキの指揮する若きモーツァルトの音楽は、軽快で、単純で、どこまでも澄み切っている。
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