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田中一彦 日本の合唱まるかじり 2

日本ビクターの音源を中心に他の会社からも数曲提供を受け、日本を代表する50名の作曲家による50の作品を2枚組に収めた合唱曲の玉手箱です。この続編も素晴らしい内容でした。時間制約の中で田中利光の「津軽の音素材による混声合唱 四季」から6分強の「春」が収録してありました。40年前の東京混声合唱団の躍動感には圧倒されます。万葉集から題材を採った信時潔の「痩人を嗤う歌二首」や、1961年に録音した柴田南雄の「雲助唄」はいずれも東混の演奏ですが、見事な表現は色あせていません。2009年9月のライヴ演奏「貴志康一 新合唱曲集 力車」は興味深い演奏でしたし、素晴らしい演奏です。プロの神戸市混声合唱団の表現力には驚かされました。大島ミチルの「組曲 御誦(おらしょ) アヴェ・マリア」、西村朗の組曲「祇園双紙 祇園」などの多くの意欲的な作品が収められています。日本伝統文化振興財団理事長の藤本草氏による前書きや曲の解説は含蓄に富んでおり、日本の合唱音楽への愛情を感じました。鬼籍に入られた指揮者も多く、一部の音源は音程、発声の面で気になる箇所も散見しますが、日本の合唱曲の全体像を見渡すのに大変好都合なアルバムと言えるでしょう。これから合唱を始める人は勿論のこと、長らく合唱に関わってきた人にも珍しい作品の鑑賞の機会になると思いました。青島広志、芥川也寸志、池辺晋一郎、大中恩、荻久保和明、木下牧子、小林秀雄、佐藤眞、高嶋みどり、高田三郎、武満徹、多田武彦、新実徳英、廣瀬量平、三善晃等の作品が収められています。歌っている合唱団は、東京混声合唱団はじめ、一般、大学、高校による日本のトップの実力を誇る合唱団の演奏ですので、素晴らしい水準であるのは間違いありません。 日本の合唱まるかじり 2 関連情報




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