坂東眞砂子 ランキング!

坂東眞砂子 狗神 廉価(期間限定) [DVD]

これはホラー映画ではない。しかし、人が社会で生きていく上での根源的な苦悩がテーマで、甘い希望は一切描かれず、それゆえリアリティがあり、とても重苦しく怖い。古い伝承、言い伝えは、何らかの形でその社会を維持するためにつくられ機能していたもの。現代社会に生きる我々からは、狗神なんかいないと言えるが、それに類することはいくらでもある。この映画の集落とあまり変わらない。☆3つなのは、もう少し希望を見出せるカットが欲しかった。理不尽さを抱え、その社会から逃れられないまま生きざるを得ないというのは、つらいね。SMAPもつらいね。 狗神 廉価(期間限定) [DVD] 関連情報

坂東眞砂子

わたしは、横溝正史原作の映画である「八つ墓村」や「神家の一族」の大ファンです。というのも、そこには、民俗学的な切り口と、ありえるだろう時代性、もののあわれを誘う悲劇性があります。ひるがえって、「狗神」にもその要素が濃厚に含まれています。好きです。 平成21年何月かは忘れましたが、ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」に、怪談話を名語り手である稲川淳二さんが出演なさいました。稲川さんは、言います。「Jホラーと怪談は違うんですね」わたしも、稲川さんに同感です。 また、稲川さんは、民俗学的な背景を背負った物悲しくも切ない怪談話と、出血ドバドバのハリウッド流ホラーとは別物だともいいます。まったく、そのとおりだと思います。 したがって「狗神」は、日本の怪談の系譜としてとらえ、正当に評価しなければなりません。極上の怪談としてです。 なおかつエロチックであります。乳首が見えた見えないの問題ではありません。男女が引かれ合う瞬間。なにげない所作。とくに、女性の足に特化した視線のエロは、的を射ております。あたかも、谷崎純一郎が「刺青」のなかで登場させる少女の美しき足を、ことこまかに描いたのことに似ています。 天海さんは、いまや大活躍の大女優ですが、わたしは、この映画の天海さんが好きです。悲しき女の性や情念を見事に演じきっております。素敵です。 関連情報

坂東眞砂子 真昼の心中

江戸時代の出来事をベースに、作者一流の女性の「性」を中心に置いた短編集になっています。「八百屋お七」や「絵島生島事件」など既知の物語を独自の視点でとらえ直していますので、全く新たな作品として面白く読むことが出来ました。江戸時代の道具としてしか扱われない「女性」の立場が、良く表現されていると思います。そうした中で女性の「性」から自己を主張しようとすると、世の中からはみ出すこととなり、悲劇が生まれます。ただ、そうした中で、作者の視点は彼女らの「幸福」な心情を描き出します。これらの物語に「悲劇感」はありません。そうした「悲劇」の中に、「幸福」を感じる女性の独自の視点を取り込んだ面白い短篇集です。 真昼の心中 関連情報

坂東眞砂子 狗神 [VHS]

最初に映画を見ました。そのあと小説を読んだのですが、映画はこの小説を基にした一つの解釈、表現として別物と考えています。それぞれに雰囲気があってとても良いです。描かれる世界は、古い伝承、生まれ持って背負った何か得体のしれないもの、古くからある、生々しくて憎悪に満ちた、そしてとても手ごわい『何か』が住まう世界です。私が生まれてこのかた抱いてきたのイメージとは程遠い。獣としての狗がそこに居ました。私はこの映画と小説をきっかけに、各地に残る伝承のようなものに興味が湧き、調べるきっかけにもなりました。 狗神 [VHS] 関連情報

坂東眞砂子 朱鳥の陵 (集英社文庫)

天武天皇をはじめとして、その周りに起こる不審な死の謎に迫ります。更には、持統天皇の有名な「春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣干したり 天の香具山」の歌の真に意味することを語ります。歴史小説として、様々な要素を見事に結びつけることに成功しており、その上で「謎」を解明しています。そして、物語の裏にはどろどろとした「女」がいます。このあたりは、坂東眞砂子の世界です。全体的に、非常に楽しい小説に仕上がっています。ただ、「やまとことば」にかなり固執した表現形態をとっているため、やや読みにくいきらいがあります。慣れれば問題ありませんが、そこがやや気になりました。 朱鳥の陵 (集英社文庫) 関連情報




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