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北条民雄 いのちの初夜 (角川文庫)

21世紀になった現在でもハンセン病に対する人々の理解力は低く、様々な偏見や差別が消えていない。筆者が生きた昭和10年代は今とは比べ物にならないほどであったであろう。何よりも、当時はハンセン病は感知不能の不治の病であった。「いのちの初夜」では、ハンセン病と診断され、療養所へ行くことになった青年の生きることへの苦悩と将来への絶望、そしていのちへの執着などが描かれている。筆者自身がハンセン病患者であり、筆者でなければ書くことができなかった文章である。「いのちの初夜」の中で『生命です。生命そのもの、いのちそのものなんです』という一文が重たく胸に響いた。 いのちの初夜 (角川文庫) 関連情報

北条民雄 いのちの初夜

医学、医療に係る人は読んでおいた方が良い作品。もっと早く読んでおくべきでした。ハンセン病と判明し、療養所(隔離処置)に入る主人公の想いが文字に込められている。差別、偏見を生んで来たハンセン病。あまりに惨い生活を強いられた人々が沢山居た事を決して忘れてはいけない。北條さんの本名は、2014年、ハンセン病に対する偏見、差別により本名は公表されていなかったが、出身地の阿南市が親族に20年間に渡って本名を公開するように説得、6月親族の了承を得て、没後77年経ってようやく本名が公開された。北條さんの評伝も読まねばと思う。高山文彦『火花 北条民雄の生涯』(1999年、飛鳥新社→角川文庫→七つ森書館) いのちの初夜 関連情報




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