迷子の警察音楽隊 ランキング!

迷子の警察音楽隊 迷子の警察音楽隊 [DVD]

本作は,昨年の東京国際映画祭の最高賞“東京サクラグランプリ”を受賞しています。そして,カンヌ国際映画祭のある視点部門にも出品され,同映画祭で3冠を達成しました。その内のひとつは,“一目惚れ賞”といって元々カンヌ映画祭には存在しない賞なのですが,審査員がこの映画を気に入って,そんな賞を作って与えてしまったというほど魅力的な作品なのです。ああそれなのに,それなのに,“夢みるゆめさん”がお書きになっているとおり在庫はたった4枚ですから,レンタルできるのは何時のことやらという感じですね。本作はイスラエルの映画です。ご存知のとおり,イスラエルという国は,宗教的,政治的なイメージが非常に強い国ですから,その国で制作された映画となると,イデオロギー性の強い作品かと構えてしまいますよね。でもそんな心配は一切無用です。まずは,文化交流のためにイスラエルを訪ねたエジプトの警察音楽隊が迷子になってしまうという発想自体が面白いです。ドラマの展開も国境を越えたユーモアに溢れ,町の住人たちと音楽隊メンバーの心の交流は,たとえ言葉が通じなくても音楽は心をつなぎ,男と女の恋は万国共通であることを優しく再認識させてくれます。温かくて忘れられない一夜の物語,とってもいいお話しですよ。 迷子の警察音楽隊 [DVD] 関連情報

迷子の警察音楽隊 迷子の警察音楽隊 [レンタル落ち]

大使館に電話して助けを請えば簡単に解決したのに.....。堅物な団長に率いられた不器用な男達が誤って行き着いた町で出会った人々は、美しく奔放な、姉御肌だけど人恋しさが滲み出ている食堂の女主人や、失業中で夫婦喧嘩が絶えない若夫婦の一家など、どこか寂しい人達。気まずい雰囲気、噛みあわない会話の中、人々の心を次第に解きほぐしていくのは国を越えて親しまれてきた音楽の数々や、人間共通の普遍的な感情なのです。経験の無い地元の青年に音楽隊の若手イケメン君が恋の手ほどきをするパントマイムのような場面には、誰もが温かい気持ちになれるはず。観る人には少々説明不足、物足りない位がこの種の映画の良いところとも言えるでしょう。しみじみとして、時折クスッと笑ってしまう作品です。馴染みの無いイスラエル映画。民族間の対立などの深刻な事情を前面に押し出した社会派作品ではありませんが、エジプト人を演じているのは人口の約15%を占めるアラブ系イスラエル人である事、彼等が自国でもアラブ諸国でも決して恵まれた境遇にいるとは言えない事などを知りました。中東が抱える『お国事情』にも目を向ける良いきっかけになった作品でもあります。 迷子の警察音楽隊 [レンタル落ち] 関連情報

迷子の警察音楽隊 迷子の警察音楽隊 [サッソン・ガーベイ/ロニ・エルカベッツ] [字幕] [レンタル落ち]

私が5つ星を付ける時は、私にとって新しいか、私に自分を思い出させてくれた時だ。何とかなるだろうと思って書き始めたレビューが、何だか分からない内容になることはよくあるが、少なくとも星の数は伝えたいことを表していると思う。この映画も、何とかなるだろう、と思った外国の楽団の珍道中だが、私のレビューのように、自力では何ともならないようになっていくのが楽しい。リアルで。そして、たぶんこれが本当の旅だし、人生かも知れないから尚可笑しい。善意に甘え切れないけれども、頼らないといけない罰の悪さや、歯がゆい異文化、たった24時間にも満たない時間が一生忘れない思い出を作ったり。与えたり与えられたりして進む人生の話は、いつも嬉し恥ずかしで面白い。自由主義のイスラエルと、半分だけ自由なアラブのエジプト。伝統あるアラビア語のエジプトには文化がいっぱいだが、もともと流浪の民のようなイスラエルはヘブライ語だろうか、同じく伝統はあるものの、何かアラビア文化の巨大さに勝てない。でも自由にお酒を飲めるイスラエルと、何となくおおっびらに酒を飲み切れないアラブのエジプトなど、兎に角隣国だから余計に差に触れる度におかしくなる。それは自分たちもおかしくなる瞬間だ。そして、音楽がその差を洗い流してくれるから、この映画は5つ星になりました。いい映画です。 迷子の警察音楽隊 [サッソン・ガーベイ/ロニ・エルカベッツ] [字幕] [レンタル落ち] 関連情報




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