共和党 ランキング!

共和党 分極化するアメリカとその起源 - 共和党中道路線の盛衰

アメリカの共和党というのは、ずっとむかしから保守的な政党だったのだと思い込んでいた。ところが、この本を読んだら、アメリカの共和党が保守化に向かったのはバリー・ゴールドウォーターが登場した1960年代なかば以降に起きた、あたらしい変化だということを知った。この本を読んで思ったが、大戦の英雄ドワイト・アイゼンハワー将軍が大統領だった時期などは、(おそらく)現在の民主党よりも、共和党ははるかにリベラルだったんじゃないだろうか。しかし、アイゼンハワー大統領の中道穏健路線というのは長いこと維持できず、アイゼンハワーの後継者だったニクソンも選挙に勝てず、共和党内部ではアイゼンハワーの穏健路線に猛反発するゴールドウォーターなどの保守派が勢力を伸ばしてきた。保守派がアイゼンハワーなどの中道派に対して党内で反動的に力を付けていった結果、共和党は保守派に乗っ取られて、急速に右傾化していったと著者は説明している。共和党がそうやって保守化したことで、現在のアメリカでの民主党と共和党の間で起きている硬直化したイデオロギー対立が起き、アメリカ民主主義が行き詰まる「起源」にもなってしまったのだ、ということらしい。中道を行こうとする現実的なアイゼンハワーと、がちがちの理念の世界に生きるゴールドウォーターのエピソードは対比的で、面白かった。あと、八方美人なニクソン、自分勝手なロックフェラー、選挙のたびに怪しげな動きばかりするスタッセンなど、アメリカの政治家の実態が面白かった。最近、米大統領選が行なわれていて、共和党についてのニュースも目にすることが多くなっているが、歴史的経緯をふまえてみてみると、いろいろなことが分かって興味深い。 分極化するアメリカとその起源 - 共和党中道路線の盛衰 関連情報

共和党 トランプ自転車2008年の選挙政治共和党の象 Bicycle 2008 Election Political Republican Elephant Playing Cards

裏、表ともオリジナルとは異なった絵ですが普通のより硬さも若干硬いです。反りがなおりにくくてあまり使いやすい感じはしませんでした。 トランプ自転車2008年の選挙政治共和党の象 Bicycle 2008 Election Political Republican Elephant Playing Cards 関連情報

共和党 アメリカの永久革命―共和党と民主党が生むダイナミズム (智慧の海叢書)

アメリカの社会とその歴史が政治制度の面から詳しく書かれている。その実は不完全な民主主義は重層構造をなし、合理的なシステムの中に人と人との結びつきが見られる。わかりにくい政治制度がアメリカの二大政党である民主党と共和党を中心にわかりやすく語られており、また、2004年の選挙の例が本書にさらに立体感を与えている。短時間でアメリカの政党の始まりから今日の傾向までを読むことができる他、政治制度だけに偏らず、背景の説明も詳しいのでアメリカの歴史学の参考書にもなる。 アメリカの永久革命―共和党と民主党が生むダイナミズム (智慧の海叢書) 関連情報

共和党 民主党のアメリカ 共和党のアメリカ (日経プレミアシリーズ)

 おそらく本書の読者の相当数と同様、村上龍主催のメールマガジンJMMで毎土曜に配信される冷泉の「from911/USAレポート」を、私は愛読している。これは現地に永年住む著者が、米国社会の週毎のトピックスを「異邦人」としての視点から読み解き、その背景まで含めて日本人に向けてレポートするもの。彼の地の新聞の署名入りコラムにややテイストが似ているが、文体はあんなに気取っておらず、とても読みやすい。『USAカニバケツ』や『アメリカ横断TVガイド』の町山智浩をグッと「お上品」にして、話題も政治や大リーグといった米国社会を語る際の定石に寄せた感じ、と言ってもいいかもしれない。 対して本書は、そのレポートをより深く理解するための枠組を提示するもので、例えば民主党のDNAは「信ずること」、共和党のDNAは「懐疑」だというように(p42)、かなり抽象度の高い対比を繰り出して構造論的に米国政治を分析していく。 で、それが分かり易いかと問われれば、実はそんなこともない。 私見では政治であれ経済であれ文化であれ、そもそも異なる歴史的背景、社会的土壌の中から生まれたシステムを理解することは容易ではなく、それは外国語の習得に似ている。文法は導きの糸にはなるが、結局は自らその言語の「内側」に棲み込み、その言語のディテールや具体的な作動振りに馴染んでいくしか上達の道はない(蓮實重彦ならそれをマゾッホ的、と形容するかもしれない)。そして著者が本書で提供しようとしたのは、文法の方なのだと思う。 だから読者は本書を参考書として手元に置きつつ、冷泉の上記のレポートを読み解いていったり、ある程度その枠組を操れるようになれば、現実の出来事を自ら解釈するのが良いだろう(米下院での緊急経済安定化法案否決の構図などは、良い練習問題となる)。そうでなければ、本書における民主党カルチャーvs共和党カルチャーの二項対立図式は抽象的・羅列的で切実さに欠け、対立構図それ自体を支える「全体システム」のようなものに対する問題意識も希薄な内容と思えるかもしれない。 民主党のアメリカ 共和党のアメリカ (日経プレミアシリーズ) 関連情報




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