説得力についてアリストテレスとジョシュア・ベルが教えてくれること ― コナー・ニールジョシュア・ベル

ストラディヴァリの音色、それにビブラートがとても綺麗です。ジョシュア・ベルさんの少年時代の動画をyoutubeで見て、なんともいえず感動した。心の琴線にふれる音色。ロマンス・オブ・ザ・ヴァイオリン関連情報

　メリル・ストリープ主演の音楽映画です。スラムの小学校に飛び込んだ音楽教師が、その情熱で子どもたちや親を動かして、素晴らしい演奏を作り上げる。「天使にラブソングをⅡ」と似てませんか？　でもこの映画は実話なんですって。DVDだったので、特典映像として、モデルとなったバイオリン教師のインタビューを見ることが出来ました。メリル・ストリープの熱演を上回るパワーと豊かな表情に圧倒されました。彼女が一番嬉しいのは、「子どもたちが背筋を伸ばし、誇らしげな顔でバイオリンを弾く姿を見ること」だそうです。スラムという日本では想像できない荒れた区域で、虐げられた階級として劣等感と貧困の中で生きる子どもたち。映画の中でも、ギャングの抗争の流れ弾に当たって死んでしまう少年や、慈善家気取りの裕福な白人に対する不信感に固まった母親が出てきます。主人公もまた、友人に夫を奪われ離婚に追い込まれて、やむを得ず教師を始めているなど、現代アメリカの抱える社会問題も垣間見せてくれます。困難な現実に突き当たって挫けようとする子どもたちを励ます言葉が、そのまま弱い自分へ返ってくる。その表情がいい。　単なるハッピーエンドではなく、団結して理不尽な差別や仕打ちに立ち向かう姿が頼もしいと思いました。多分、映画化され有名になった今でも、様々な障害は依然として立ちはだかっていることでしょう。頑張れ！関連情報

ベスト・オブ・ジョシュア・ベル

　浅田真央ちゃんがプログラムで使っていた、ジョシュア・ベルさん。　色々といい曲が入っている中、特によかったのは、プッチーニ：私のお父さん、そして、ヘス：ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジーでした。　他にも、メイヤー；ビー・ティーなど明るく楽しめる曲も入っており、いいアルバムだとおもいます！ベスト・オブ・ジョシュア・ベル関連情報

ミュージック・オブ・ハート【字幕ワイド版】 [VHS]

現在ロード･ショウ中の『MAMMA MIA!』でメリル・ストリープが演じているのはシングル･マザーである。彼女がシングル･マザーを演じるのはこれが初めてではない。その前にシングル･マザーであると同時に『自立する女性』を演じているのがこの作品だった。公開当時に観た感動は今になっては当時よりも更に増幅している。　平凡な主婦だった主人公が離婚し、生活を支えるために始めたヴァイオリンの授業が、やがては彼女の人生を支える全てに変わっていく。瀟洒な家に住み、キレイに着飾って毎日を平凡に暮らしていた主人公が時間を経過するに従って、髪を振り乱しながら奮闘する日々へと変貌を遂げていく。そして、最初は“私が教えればこうなる”と生徒達を上から見下ろしていた視線も、生徒１人１人の現実と向き合う中で、“子供達から教えてもらっている。元気をもらっている”姿へと内面の変化を見せていく。そうした彼女が周りを変えていく。更にロベルタの姿は子供を通じて親の意識を変えていく。そのプロセスは教師と生徒のキャッチボールであり“教育の原点”そのものを十分に感じさせる。又公開当時には見逃していた点に、アメリカの縮図ともいえるニューヨークの街の姿がある。公開当時は“黒人と白人”の関係に目を取られていたが、今改めて観るとそこに登場する“人種”の数が最初は黒人と白人の２種類だったのに対し、作品が展開していく中で次第にその数を増していき、カーネギー･ホールのコンサートシーンにはヒスパニックを筆頭にユダヤ系や東洋系の人物までがステージ上に顔を並べる。このシーン１つをとっても、音楽に象徴される文化には国境の壁などないことをさり気なくしかし雄弁に物語る(サントラに収録されている曲目がヒップ･ホップからクラシックに至るまでの幅の広さであることも注目)。　授業をする学校である日突然、ロベルタは解雇を言い渡される。彼女がこの地域にもたらした影響、それまで彼女がこの学校で行ってきたことを含め、現場の関係者は教育に携わる者の誇りとして、住民は彼女の真剣な姿を日々観てきたことから、当然の如く納得しない。そして彼女たちが選んだ作戦は“自分達がこれまでにやってきたこと、残してきたモノを大勢の人に観てもらおう。それによってみんなに判断してもらおう”との選択だった。　音楽によって希望を与えられた人々が音楽によって今度は子供達の未来を造り出そうとしていく姿に心からの拍手を贈りたい！。　そしてこの作品は、今、俯きかげんの私達にとっても１つのヒントになるからもしれない。例えば、北海道のとある財政再建団体となった町での成人式が財政難のために困難となった、との報道に全国からの支援が寄せられたことは記憶にも新しい。学校を始めとする教育の場を閉ざすことは若者の将来を閉ざし、ひいてはこの国の未来への道を閉ざすことにつながる。同時に福祉の道を閉ざすことはこれまでこの国を造り支えてきた人達への感謝と敬意を否定することになる。誰もが主役であること、そして守られるべきであることをこの作品は静かに語る。公開から時を経た今、もう一度“観て良かったナ”との想いを強くした。ミュージック・オブ・ハート【字幕ワイド版】 [VHS] 関連情報

ミュージック・オブ・ハート DTS特別版 [DVD]

私が最初にこの作品を見たのが中学生。学校行事でした。最初は子供心に退屈な気分だったのですが、終わった後は中学生男子にあるまじき涙を流していました。二回目はケーブルテレビで。改めて見直して中学生の時の感動がよみがえりました。歯に着せぬ物言いで子供たちと真摯に接する彼女の姿は、現代で必要とする「ハート」を感じます。「どんなに下手でもヴァイオリンが弾けるようになる。」これは子供たちだけでなく大人たちにもある「可能性」の存在を示唆しているようでした。プライベート、成功、あらゆるものがヴァイオリンを通じて「可能性」を感じさせます。もう一つ素晴らしいのは「人間性」。子供の成長、社会との衝突、別れ、助け合い・・・人はつながらないと生きていけないですが、一人の行動力が全体を変えてしまうこともある。今でもこの作品には励まされます。メリル・ストリープの輝きも変わらないことが素晴らしいです。ミュージック・オブ・ハート DTS特別版 [DVD] 関連情報