ミュージック・オブ・ハート DTS特別版 [DVD]
現在ロード・ショウ中の『MAMMA MIA!』でメリル・ストリープが演じているのはシングル・マザーである。彼女がシングル・マザーを演じるのはこれが初めてではない。その前にシングル・マザーであると同時に『自立する女性』を演じているのがこの作品だった。公開当時に観た感動は今になっては当時よりも更に増幅している。 平凡な主婦だった主人公が離婚し、生活を支えるために始めたヴァイオリンの授業が、やがては彼女の人生を支える全てに変わっていく。瀟洒な家に住み、キレイに着飾って毎日を平凡に暮らしていた主人公が時間を経過するに従って、髪を振り乱しながら奮闘する日々へと変貌を遂げていく。そして、最初は“私が教えればこうなる”と生徒達を上から見下ろしていた視線も、生徒1人1人の現実と向き合う中で、“子供達から教えてもらっている。元気をもらっている”姿へと内面の変化を見せていく。そうした彼女が周りを変えていく。更にロベルタの姿は子供を通じて親の意識を変えていく。そのプロセスは教師と生徒のキャッチボールであり“教育の原点”そのものを十分に感じさせる。又公開当時には見逃していた点に、アメリカの縮図ともいえるニューヨークの街の姿がある。公開当時は“黒人と白人”の関係に目を取られていたが、今改めて観るとそこに登場する“人種”の数が最初は黒人と白人の2種類だったのに対し、作品が展開していく中で次第にその数を増していき、カーネギー・ホールのコンサートシーンにはヒスパニックを筆頭にユダヤ系や東洋系の人物までがステージ上に顔を並べる。このシーン1つをとっても、音楽に象徴される文化には国境の壁などないことをさり気なくしかし雄弁に物語る(サントラに収録されている曲目がヒップ・ホップからクラシックに至るまでの幅の広さであることも注目)。 授業をする学校である日突然、ロベルタは解雇を言い渡される。彼女がこの地域にもたらした影響、それまで彼女がこの学校で行ってきたことを含め、現場の関係者は教育に携わる者の誇りとして、住民は彼女の真剣な姿を日々観てきたことから、当然の如く納得しない。そして彼女たちが選んだ作戦は“自分達がこれまでにやってきたこと、残してきたモノを大勢の人に観てもらおう。それによってみんなに判断してもらおう”との選択だった。 音楽によって希望を与えられた人々が音楽によって今度は子供達の未来を造り出そうとしていく姿に心からの拍手を贈りたい!。 そしてこの作品は、今、俯きかげんの私達にとっても1つのヒントになるからもしれない。例えば、北海道のとある財政再建団体となった町での成人式が財政難のために困難となった、との報道に全国からの支援が寄せられたことは記憶にも新しい。学校を始めとする教育の場を閉ざすことは若者の将来を閉ざし、ひいてはこの国の未来への道を閉ざすことにつながる。同時に福祉の道を閉ざすことはこれまでこの国を造り支えてきた人達への感謝と敬意を否定することになる。誰もが主役であること、そして守られるべきであることをこの作品は静かに語る。公開から時を経た今、もう一度“観て良かったナ”との想いを強くした。
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チョコレートドーナツ [Blu-ray]
子どもの真の幸せとはなんなのか。薬物中毒で育児を放棄し、だけど血がつながった実の母親に育てられるのか。たまたま同じアパートに住んでいたというだけのゲイのカップルに育てられるのか。まだ同性愛に差別があった時代のお話で、現在においては同性愛者だから里親になれないという差別的な判決にはならないでしょうけれど、ラストのあまりの悲しさ、やるせなさ、悔しさ、子どもには何の罪もないはずなのに・・・・・。ストーリー的に展開が早くて、マルコがルディとポールを慕う過程とかをもっと表現できていたらよかったと思うのだけど、本当にダウン症の子供が演技をしているので、撮影は難しかったのではないかなと想像できます。でもマルコの満面の笑顔は、それだけですべてを語っているように感じました。ここでは同性愛者やダウン症児という設定であるけれど、こういう問題って永遠のテーマだと思います。虐待で子どもを死なせてしまったというニュースも最近では珍しくもありません。この映画は子どもにとって本当に幸せなことは何なのか、子どもの権利を守るためにはどうすればいいのか、社会全体で考えるべき問題であると提言していると思います。タイトルの「チョコレートドーナツ」は邦題で、原題は「Any Day Now」です。なぜ「チョコレートドーナツ」なのかは映画を観ればわかりますが、内容を知っていれば良いと言えば良いようにも感じるけど、タイトルだけを見るならば、さっぱり意味不明ですね。
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マリンプロ 非常時おたすけ箱
いい商品だと思います。食料が入っている箱がトイレのかわりになるので、このコンパクトな箱はさほど場所も取らずおいておけます。両親に父の日母の日ギフトとして送りました。気持ちにはあっても自分ではなかなか買いそろえられなかったと喜ばれました。
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テツノポップ~史上最強 駅メロ伝説「SH」スペシャル・コレクション~
京浜急行のモーター音を作曲して演奏してるんだよ。そう思って聞くとJRでもすばらしい。
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チョコレートドーナツ [DVD]
70年代後半、ゲイのカップルがダウン症の少年と暮らすため司法や偏見と闘った実話。いつの時も差別が行き着く先は攻撃、そして排除。法の前では平等といいつつ、司法の場も例外ではない。そう法ではなく、人が裁くからだ。歌手を夢見て今日もステージに上がるルディ (アラン・カミング) と、弁護士のポール (ギャレット・ディラハント) のカップルが、普段から自堕落な母親に放置された状態のダウン症の少年マルコ (アイザック・レイヴァ) を、一時的に保護し一緒に暮らすことに。強い愛情で結ばれて行く、そして家族になって行く。そこに偏見と差別が法を盾に、3人を引き離しにかかる。演じるってすごいなあ。こんな感じのゲイのカップルいそうだもの、自然体でとてもいい。きっと実在する二人そのものだったに違いない。マルコが 『幸せ』 を噛みしめるシーンがある。とても静かに表現された、深い幸せ。何度も何度も思い出し、胸が熱くなる。思いやり溢れる家族が傷つけられ追い詰められて行く。ホワイトカラーの職に就いているポールでさえ (逆差別用語 ?)一度そのレッテルを張られたら、それは今迄の道が閉ざされるということ。差別の攻撃は、その手を緩めることがない。少年の幸せという一番大切なことが置き去りにされてしまう。そういう時代だった ?今もそう変わっていないのかもしれないと考えてしまう。法廷劇の側面もある作品に、条件ではなく人を見ることの大切さも思う。罪のない弱者の悲しい結末に、勝者なんて居ない。
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