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ザ・シャウトさまよえる幻響 [DVD]

薄青い砂漠を黒い何かがうごめいている。熊か？猿か？いや人だ。粗い粒子が次第に消え、その人は海軍元帥の制服を着ていた。白い骨を持って・・。イエジー・スコリモフスキ監督の不穏で謎めいた日本劇場未公開作（1978）。田舎のサナトリウムで怪僧ラスプーチンのような男クロスリー（アラン・ベイツ）が語りだす過去。この男の回想の形をとって語られる数奇な顛末・・。叫び、shoutで人をあやめることができるという、この男が語りだす世にも奇妙な3人のお話し。彼が前衛音楽家のアンソニー（ジョン・ハート）、その妻レイチェル（スザンヌ・ヨーク）の日常の闖入者・かく乱者となり、一見平穏な毎日はしだいに歪みはじめて行く・・。異常な関係、叫びの描写（圧巻）、アボリジニ、呪術、魂の分裂、輪廻、物への化体、憑依を扱いながらどこか静謐な印象なのも不思議です。この内容がおかしいだけではありません。ときおり挿入される奇妙なショット、ストップモーション、スローモーション、白黒への暗転。そして象徴的意味を持たされた数々の小物。骨、石、自転車、サンダル、鏡、孔雀、蜂のオブジェ、はく製。さらに度々現れるフランシス・ベーコンの絵とそれと同じポーズの妻・・。ベーコンの絵が意味するもの・・。Sorcerer（魔術使い）、Jujuというだけでなく、クロスリーはBody snatcherでもあります。荒地から、砂の国からやって来た男。体を奪うということは元の魂の放逐、魂の乗っ取り。彼はアンソニーの人里離れた家と妻も「乗っ取る」のです。本作は少なくとも3つの（3人の）主観部分に分かれるのですが、単に入れ子構造、時系列の分解では片づけられない捻じれ・ほころびを持っているように思います。彼の話と辻褄が合わないところもあります。まず、クロスリーが話す回想部分が回想ではなく、アンソニーの主観と捉えるべき描写という捻じれを生じているのです。観客の視点はクロスリーではなく、アンソニーの視点と一致するからです。サナトリウムのクロスリーと回想の中の彼は別人みたいに目つきや物腰が違うように感じられるのは気のせいでしょうか。以下★まで核心に触れたぐだぐだ私見です。クロスリーの回想部分は実は観客には語られておらず、映画のほとんどの見える部分は分裂しているアンソニーの妄想・幻想なのではないか。あるいは3人は確かに現実で交わっていたのか。アンソニーはサナトリウムの患者として登場するのですがそうであれば映画の大部分は誰の視点なのか。あるいはアンソニーは、クロスリーが人に妄想を語る際の登場人物として借りられているだけの存在であり、真ん中部分はやはりクロスリーの語りなのか。そもそも語りは回想なのか、妄想・幻想なのか。アンソニーは最後、画面から退場したままなのです。これはクロスリーとレイチェルだけの物語なのか。すべてを睥睨する別の存在があるのか・・先に触れた小物類の意味付けは・・。★・・か？ばかりで未見の方には私が何を言っているか伝わりませんね。何が虚で何が実かわかりません。スコリモフスキ監督はこのように観客を翻弄し、摩訶不思議な感覚を味あわせます。いや、実は明快な解答を準備しているのか、興味は尽きません。屁理屈をひねってみたくなる尽きない泉みたいな作品なのです。正解は（おそらく）ありませんし、観ているだけでも不思議な80分を過ごすことができます。先行レビュアーさまのように笑ってもいいし、分解するのも一興でしょうし、壊れるべきものを壊しに来た男のお話しとしてもいい。すっかり催淫の魔術にとりこまれてしまう（ように見える）スザンナ・ヨークのどっか淫らな目つきや口元も印象的です。彼女もまた性的幻想を見ていたのかもしれません。だいたい職業は看護婦でしたっけ？これも謎です。そして被虐演技が冴えまくりのジョン・ハートの弱さ・脆さの表現も見どころ。そして犬さえ屈服させる威圧感・威厳をもつベイツの厚いガタイとうさんくささ、眩惑的な眼差し。そしてみなさんご指摘の3回出てくるshoutの場面の強烈さ。羊が、海鳥が・・。吹き飛び気絶するジョン・ハート。こんなの見たことありません。アンソニーの録音スタジオ。本作の「音」が意味するもの・・。砂、砂漠、埋められた石の意味するもの・・。アンソニーが砂漠の砂から掘り出す奇妙な石はクロスリーの魂であり、4つに分裂する場面があります。魂は人の中にも家の中にもあらず、どこか荒野の砂の中にある・・。存在することの危うさ。そして実体を持たない第四の男。器と中身、肉体と魂。見えない何かがスクリーンを飛び回り、それどころか画面外の超常存在を感じます。複数のジグソーパズルのピースを1つのパズルのものだと言われて解いているような気持にさせられます。こちらがはまればこちらがはまらず。誰が語りの主体か。「主体の混合」あるいは「主体のすりかえ」「主体のねつ造」がされているのか・・。いずれにせよ（物理的に限らず）静かな「圧」を感じる映画です。本作もまたどこにも着地しない永遠性を感じさせます。調和を逸脱した映画文法、亀裂が入った構造。感情・理屈より感覚に訴えます。ありきたりの映画に飽きたという方は是非。ジャケで躊躇してはいけません、お薦めです。THE SHOUT, 1978, UK, Jeremy Thomas Production, The Rank Organisation Ltd / ―Theatrical aspect ratio 1.85 : 1 , 86min. Color, Dolby, 35mm-------------------------------------------------------------------------画質はDVDとしては上等。キズ、パラ、ノイズ等ほとんどなし。ガタツキなし。比較的鮮明で発色もよく諧調も出ている。リージョン2, NTSC映像仕様は16:9LB（ヴィスタ）、画面アスペクト比は1.78: 1, （つまり左右若干トリミング）、Color.音響につては我が家のスピーカーでは仕様はよく分からず。ただshout場面の音はサラウンドらしく凄い。作品の性質上、繊細な音もちゃんと拾えている。片面 1層、82min.おそらくPALマスターで4%早回し。ジャケ裏の115min. は間違い。音声：英語、DolbyDigital, 吹替えなし。字幕：日本語のみ、on/off可能、メインメニューあり、チャプターメニューあり映像特典： ―音声特典： ―発売：Carlton International Media / 販売：オルスタック・ピクチャーズ、2010関連キーワード：（未見の方はスルーしてください）砂漠、英国、サナトリウム、クリケット、前衛音楽、呪術、妄想、フランシス・ベーコン、寝取られ、骨、落雷、鏡、蜂、サンダル、アボリジニ　叫び、憑依　羊連想作： ― ザ・シャウトさまよえる幻響 [DVD] 関連情報

「GALAXY ANGEL」II&I デュエットアルバム「ANGEL CALL」

私はこのCDを買って、聞きました。『ギャラクシーエンジェルII』に興味ありませんけど…桜葉姉妹の『Believe in Your Heart』とミント×アニスの『夢で逢いまショウ!』が好きですが、デュエットCD Vol.2より『イタズラidentity』が収録しないこと、すごく残念です。このCDは完璧じゃないなと思って、ムーンエンジェル隊のデュエットアルバム『ANGEL SHAKE』のほうがずっと好きです。それに、カズヤとちとせの1曲はとても変で、キャラの感じがなかったんです、全然。フォルテとリリィの『LIPS WANNA SAY IT』は彼女たちらしいけど、曲はよくないと思います。でもね、このCDに、ムーンエンジェル隊の合演は本当に素晴らしいですよ!『羽を休める天使たち』という曲の名を見って、すごく『ギャラクシーエンジェルII』のときのムーンエンジェル隊って感じでしょう。メロディーも、歌詞も、とても美しくて、聞ったらきっと感動しますよ!歌詞を見って、ムーンエンジェル隊が越えできたのすべてを思い出して、彼女たちの気持ちを感じて、ちょっと泣きたくなります。Ranpha: 行く先を見つめては泣きたくなる宇宙色Milfeulle: 私たちどこまできたのだろう Ranpha&Milfeulle: 夢に近い場所へForte&Vanilla: 涙笑いすべて越えて今があるChitose: シアワセと呼べる過去を手に Mint: 新しい未来歩みだすAll: I wish forever この声は受け継がれる思い何度でも伝えよう信じることがどんなものより大事だと強い力だと見せてゆくからMint: 子供の描く絵のように思うままに進んだChitose: 一人ではできそうになくても Mint&Chitose: キミがいれば平気Forte&Ranpha: いつか果てる日まで優しい風になるMilfeulle: 音もなくでも力強く Vanilla: 背中をおすよ大丈夫All: I wish for lover 探してた同じ目の天使めぐりくる出逢いへと夢のつづき託したいの私たち少しだけ羽を休めるエンジェルこの1曲のため、このCDに5つ星をあげますね!みんなも聞いてみてくださいね! 「GALAXY ANGEL」II&I デュエットアルバム「ANGEL CALL」関連情報

なかよし 2015年11月号 [2015年10月3日発売] [雑誌] (なかよしコミックス)