中川梨絵 ランキング!

中川梨絵 OL日記 牝猫の情事 [DVD]

1972年公開の本作における中川梨絵は、80年代における戸川純的な感覚を先取りしている。こんな比類なき怪演を見せてくれた中川に最大限の賛辞を送りたい。OLが会社次長を軟禁するというプロットも珍妙で良い。ただし、「ロマン・ポルノ」とは言え、ポルノグラフィ的な愉しさは皆無なので御用心。 OL日記 牝猫の情事 [DVD] 関連情報

中川梨絵 竜馬暗殺 [VHS]

 黒木和雄監督が亡くなった。土本典昭、小川紳介、田原総一朗、東陽一等と共に岩波映画出身で、終始独立プロの低予算枠で良心作を撮り続け、晩年は戦時下3部作で、老いてますます社会派監督としての健在ぶりを見せていた。ただ、個人的には20代に名画座まで追いかけて観た、いまだその繊細で美しい映像が鮮烈なデビュー作の「とべない沈黙」から「原子力戦争」までのATG映画群が、やはり印象深い。なかでも、今作は、黒木が、新宿ゴールデン街の飲み仲間たちと、どうしても製作したいと切願し、多額の負債を抱えながら完成にこぎつけた渾身作で、最高傑作と言って良い。モノクロスタンダードのフレームの中、原田芳雄、石橋蓮司、中川梨絵、桃井かおり、外波山史明、松田優作らが、幕末の喧騒期に、ぎらぎらと人間臭く、熱く浪漫を語り、自堕落にセックスに興じ、倒幕の路線の相違と友情の板ばさみで苦悩する。60年代より蜷川幸雄と同伴して小演劇の世界で活躍していた清水邦夫の脚本が見事で、“早すぎた革命家”坂本竜馬と中岡慎太郎のふたりが、“仮に革命を成功させ、現権力を倒しても、所詮、次の権力が生まれ、移行するだけなのだ”と懐疑諦感してしまうのは、70年半ば当時の黒木たちの気分を代弁しているかのようだ。 竜馬暗殺 [VHS] 関連情報

中川梨絵 (秘)女郎責め地獄 [DVD]

 傑作です。オープニングからとっても魅力的かつ挑発的。すなわち縦に並んだ敷石の上にタイトルが書かれていて、キャメラはその敷石の上をゆっくり移動しながらタイトルを写し続ける。タイトルが終了した瞬間、キャメラは不意に左旋回して三味線を弾く物乞いらしき老婆を写しながらさらに上昇して、ヒロイン中川梨絵の勤める、「一発百文」鉄砲見世の猥雑かつエネルギッシュな通りを俯瞰で写しだす。えーっ、これがポルノ映画?まるで溝口健二に挑戦状を叩きつけているようなキャメラワークではないですか。 さらに絢爛たる色彩感覚は中川信夫の「東海道四谷怪談」を彷彿とさせるし、人形浄瑠璃を劇中に導入する手法は内田吐夢の「浪花の恋の物語」の影響か。しかも偉大なる先達のモノマネをしているだけではなく、田中登が自分なりに消化してきっちりとオリジナリティを出し切っているのが感動的。 後半の山科ゆりのシークエンスで、物語りに限りなく深みを与える田中陽造の脚本や、高村倉太郎のキャメラ、そして川崎軍二の美術も素晴らしい。恐るべし、「日活ロマンポルノ」。 ひとつだけ物足りないところがあるとすれば、中川梨絵のお芝居。それなりに力を出し切って健闘していると思うのだが、演出のレヴェルの高さにほんの少し追いついていない。もしも彼女が溝口「西鶴一代女」の田中絹代の半分でも演技ができていたらと思うと・・・・。でもそれは無いものねだりというものなのですね。 (秘)女郎責め地獄 [DVD] 関連情報




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